メールレターバックナンバー

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>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.88号 <<<
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■■□──────────────────────2011/10/31号
証券アナリスト試験に関連する有益な情報を毎月1回、タイムリーなテーマ
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](2)
【2】 第2次レベル スワップ取引
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](2)
(9) 棚卸資産の評価方法
(1) 取得原価(=購入代価+付随費用)がBS価額
(2) BS評価額:低価法に一本化(H20.4月以降)
低価法:回収可能額まで評価額を切り下げる。または、取得原価
と時価とを比較し、いずれか低い方の価額をもって貸借
対照表価額する方法である。
(10) 払出単価の計算方法
(1) 先入先出法とは、先に購入したものから先に払出するという仮定
に基づく方法である。
期末棚卸高=期末有高×最後の仕入単価
(2) 後入先出法とは、後に購入したものから先に払出するという仮定
に基づく方法である。
期末棚卸高(月別法)=期末有高×(期首単価及び仕入の早い単価)
(3) 月別後入先出法
月末商品有高=在庫量×単価 (月初)(月末有高<月初)
(4) その都度後入先出法
払出の都度、その時点における後に仕入れたものから先に払出し
たものとして計算。
(5) 平均法とは、平均単価に基づいて払出するという仮定に基づく方
法である。①総平均法と②移動平均法がある。
期首棚卸高+仕入高
① 総平均単価=───────────
期首数量+仕入数量
② 移動平均法は、仕入の都度平均単価を求め、その平均単価をもっ
て払出をするという仮定に基づく方法である。
(11) 売価還元法
(1) 売価還元法は、取得品種のきわめて多い小売業・卸売業などに適
用される。
期首商品原価+当期仕入原価総額
原価率=───────────────────────
期首商品売価+当期仕入原価総額+原始値上額
+値上額-値上取消額-値下額+値下取消額
(2) 期末商品原価=期末商品売価×原価率
(12) 棚卸資産の減耗と評価損
① 棚卸減耗費=(帳簿数量-実地棚卸数量)×@原価
② 商品評価損=(@原価-@時価)×実地棚卸数量
┌──────┬───┐
@原価 │ │ ① │
│②商品評価損│ 棚 │
│ │ 卸 │
├──────┤ 減 │
@時価 │ │ 耗 │
│B/S価額 │ 費 │
│ │ │
└──────┴───┘
実地棚卸数量 帳簿棚卸数量
* 商品評価損の会計処理には、原価に戻さない切放法と原価に戻
す洗替法がある。
(13) 固定資産の取得原価
① 取得原価=(購入代価-値引・割戻し)+付随費用
② 自家建設の借入利息の原価算入
借入資金が当該建設工事にだけ利用され、稼働前の期間に対応す
る利息は取得原価に算入することができる。
(14) 減価償却の分類
① 正規の減価償却は、費用配分の原則に基づき所定の減価償却方法
(定額法、定率法、生産高比例法など)により計算された減価償却
をいう。営業費用(製造原価又は一般管理費)として処理される。
② 固定資産の種類と減価償却費の取扱い
┌────────┬───────────┬─────────┐
│ 固定資産の種類 │製品原価・期間原価の別 │ PL計上 │
├────────┼───────────┼─────────┤
│・本社の建物 │・期間原価 │一般管理費 │
│・営業用車両など │ │ │
├────────┼───────────┼─────────┤
│・工場の建物 │・製品原価 │売上原価 │
│ │ │(BS、棚卸資産) │
│・機械設備など │┌・販売済原価┐ │ │
│ │└・未販売原価┘ │ │
└────────┴───────────┴─────────┘
(15) 減価償却費の計算方法
取得原価-残存価額
(1) 定額法:毎期の減価償却費=───────────
耐用年数
(2) 定率法:{取得原価-(D(1) +D(2) +……
……+D(n-1))}×一定率=D(n)
(3) 級数法
(N-n)+1
減価償却費=(取得原価-残存価額)×──────────
N・(N+1)/2
なお、Nは耐用年数、nは償却経過年数である。
(4) 生産高比例法
各期の実際生産高
減価償却費=(取得原価-残存価額)×──────────
予定総生産高
(16) 減価償却の税改正
① 償却可能限度額、残存価額が廃止され、残存価額1円まで償却
② 新償却方法の導入
(a) 新定額法の償却率=1/耐用年数
(b) 新定率法の償却率=(a)新定額法×2.5倍
③ 新定率法による償却限度額(=調整前償却額)
調整前償却額=期首簿価×新定率法の償却率
④ 償却保証額=取得原価×保証率(残存年数ごとに異なる)
⑤ [③調整前償却額<④償却保証額]の場合
この時、期首簿価を改訂取得原価として、改定償却率を乗じたも
のが償却限度額となる。ただし、耐用年数の最終年は、1円を差し
引くことになる。
(17) 無形固定資産
┌特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権、
┌法律上の諸権利│ソフトウェア制作費、借地権、地上権、鉱業権、
│(法的資産) └漁業権、各種の利用権など
│経済上の優位性───のれん
└(経済的資産)
① 「のれん」は有償取得、合併及び連結の場合に限って資産性が認
められる。20年以内に、定額法その他合理的な方法により償却。
② 研究開発費は、全て発生時に一般管理費として処理しなければな
らない。
③ ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分は研究開発
費として費用処理する。
④ 研究開発費に該当しないソフトウェア制作費は、無形固定資産の
区分に計上しなければならない。
(18) 繰延資産
(1) 資産計上の要件(3つ)
① すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定していること
② これに対応する役務の提供を受けていること
③ その効果が将来にわたって発現すること
(2) 償却方法と償却期間
┌─────────┬────┬─────────────────┐
│ 繰延資産 │償却方法│ 償却期間 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│株式交付費 │定額法 │3年以内のその効果の及ぶ期間に償却 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│社債発行費 │利息法 │社債の償還までの期間に償却 │
├------------------┼--------┼----------------------------------┤
│(新株予約権発行費) │定額法 │3年以内のその効果の及ぶ期間に償却 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│創立費 │定額法 │5年以内のその効果の及ぶ期間に償却 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│開業費 │定額法 │5年以内のその効果の及ぶ期間に償却 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│開発費 │定額法等 │5年以内のその効果の及ぶ期間に償却 │
└─────────┴────┴─────────────────┘
【2】 第2次レベル スワップ取引
1.スワップ取引の種類
スワップ(swap) とは交換を意味するので、スワップ取引とは、性
質の異なるキャッシュフローを当事者間で交換する取引をいう。
スワップ取引には、さまざまな分類方法があるが、ここでは、交換
する通貨と金利、その元本に注目して、分類することにする。
そこで、まず、スワップ取引が同種通貨間か異種通貨間かにより、
金利スワップと通貨スワップに分類される。次に、その交換する金利
が固定金利か変動金利かの組み合わせにより分類される。
┌① 固定金利と変動金利の交換
│ =円・円スワップ、ドル・ドルスワップ
金利スワップ ┤② 固定金利と固定金利の交換
(同種通貨間)│ =支払日スワップ、キャッシュフロー・スワップなど
│③ 変動金利と変動金利の交換
└ =ベーシス・スワップ、金利期間スワップなど
┌① 固定金利と変動金利の交換
│ =円・ドルスワップ、円・マルクスワップ
通貨スワップ ┤② 固定金利と固定金利の交換=中長期など
(異種通貨間)│③ 変動金利と変動金利の交換
└ =ベーシス・スワップ、金利期間スワップなど
メールレターでは、同種通貨間の金利スワップ(固定金利と変動金
利の交換)を取り扱うこととする。
2.金利スワップ取引
(1) 金利スワップ取引
金利スワップ(Interest Rate Swap:IRS)とは、「同種の通貨
で異種の金利の交換」をいう。
金利の種類(固定金利、変動金利)を交換するのみで、元金(元本)
は交換されない(元本は同額と考える)。
つまり、金利スワップは、固定金利(R(SW):スワップ・レート)
と変動金利(r(0,1)、f(1,2)、…………)の現在価値の等価交換
である。
┌────────────────────────────────┐
│(1)将来の固定金利の現在価値合計=(2)将来の変動金利の現在価値合計 │
└────────────────────────────────┘
スワップ取引におけるスワップ・レート(R(sw))とは、変動金利
と交換されす固定金利をいう。そこで、変動金利と交換に固定金利を
受取る取引をレシーブといい、レシーブ・ポジションを保有する投資
家をレシーバーという。逆に、変動金利と交換に固定金利を支払う取
引をペイといい、ペイ・ポジションを保有する投資家をペイヤーとい
う。
┌─────┐ 固定金利(R(SW)) ┌─────┐
│ │──────────->│ │
│ A 社 │ │ B 社 │
│ │<-────────── │ │
└─────┘ 変動金利 └─────┘
(ペイヤー) (レシーバー)
(2) 金利スワップ取引で用いられる変動金利
① LIBOR
LIBOR(ライボー:London Inter-Bank Offered Rate)は、
ロンドンの銀行間で預金の形で行われる資金取引の利率のことで、
資金を出す側が資金を取りにきた相手先に対して提示するレートを
いう。
また、このLIBORは、銀行によって利率が異なる。
* 6ヵ月LIBORとは、期間6ヵ月の取引に適用される利率の
ことをいう。
② TIBOR(タイボー)
円LIBORはロンドンにおけるユーロ円の銀行間取引金利であ
るが、東京における日本円の銀行間取引金利を「日本円TIBOR
(タイボー:TokyoInter-Bank Offered Rate)」という。
この円TIBORも、スワップの変動金利として用いられること
もある。
(3) 金利の計算方法
① 金利受払いの頻度
金利の受払胃の頻度は、①年1回(1年毎)、②年2回(半年毎)、
③年4回(3カ月毎)が通常である。また、④1カ月毎もある
② 金利の支払日
金利の支払日は、金利の計算期間の開始日に支払う場合と、金利
の計算期間の終了日に支払う場合があるが、通常は後者である。
③ 金利計算期間
通常は、金利の計算期間は、前の支払日の翌日から金利計算期間
の終了日(支払日)である。
* LIBOR(ライボー)の金利計算は、1年を360日と考え、
金利の計算日数を実日数として計算される。
3.キャッシュフローの評価
(1) 現在価値
将来n年後の受取りキャッシュフローC(n) が判明しているとす
る。1年間当たりの割引率をRとした場合、現在時点(t=0)に
おける価値を求める計算を割引計算(現価計算)という。この将来価
値C(n)に対する現在時点の価値を現在価値PVとか、現価という。
(2) 借入形態とキャッシュフロー
① 固定金利建て借入れとキャッシュフロー
今、A社はB社から100万円を借り入れることを想定する。借入
条件は下表のとおりとする。
┌───────────────────┐
│[借入条件] │
│ ① 元本 100万円 │
│ ② 借入期間 3年 │
│ ③ 適用金利 年率6%(固定金利) │
│ ④ 利息支払 1年毎後払い │
│ ⑤ 元本返済 3年年後一括 │
└───────────────────┘
② 変動金利建て借入れとキャッシュフロー
今、B社はA社から100万円を借り入れることを想定する。借入
条件は下表のとおりとする。
┌───────────────────┐
│[借入条件] │
│ ① 元本 100万円 │
│ ② 借入期間 3年 │
│ ③ 適用金利 1年定期預金の金利 │
│ ④ 利息支払 1年毎後払い │
│ ⑤ 元本返済 3年年後一括 │
└───────────────────┘
┌───────────────────────┐
│[1年定期預金金利の推移] │
│ ① 現在から1年後の1年間の利回り 4% │
│ ② 1年後から2年後の1年間の利回り 6% │
│ ③ 2年後から3年後の1年間の利回り 8% │
└───────────────────────┘
③ A社・B社のスワップ取引
A社・B社が同時に①・②の2つの取引を行うことを「スワップ
取引」という。なお、元本の借入金額は、同額なので相殺すること
ができ、固定金利と変動金利の交換のみということになる。
┌─────┐ 固定金利支払 ┌─────┐
│ │──────────->│ │
│ A 社 │ │ B 社 │
│ │<-──────────│ │
└─────┘ 変動金利受取 └─────┘
A社・B社それぞれの「金利スワップ取引」の内容は、次のよう
になる。
┌────────────────────────┐
│[A社の金利スワップ取引内容] │
│ ① 想定元本 100万円 │
│ ② 期間 3年 │
│ ③ 適用金利 固定金利支払:年率6% │
│ 変動金利受取:1年定期預金金利 │
│ ④ 利息授受 1年毎後払い │
└────────────────────────┘
┌────────────────────────┐
│[B社の金利スワップ取引内容] │
│ ① 想定元本 100万円 │
│ ② 期間 3年 │
│ ③ 適用金利 変動金利支払:1年定期預金金利 │
│ 固定金利受取:年率6% │
│ ④ 利息授受 1年毎後払い │
└────────────────────────┘
4.スワップ・レートの決定
以上見てきたように、金利スワップ取引においては、固定金利の現
在価値合計と変動金利の現在価値合計が等価(パリティ)でないと取
引は成立しない。
そこで、固定金利(R(sw):スワップ・レート)が何%であれば取
引が成立するのか考えてみる。
R(SW) R(SW)
PV(R(SW))=──────────+──────────
(1+r(0,1))の1乗 (1+r(0,2))の2乗
R(SW)
+────────── …………①式
(1+r(0,3))の3乗
r(0,1) f(1,2)
RV(r(n-1,n))=──────────+──────────
(1+r(0,1))の1乗 (1+r(0,2))の2乗
f(2,3)
+────────── ………②式
(1+r(0,3))の3乗
┌───────────────────────────────┐
│ r(0,1) は現在時点から1年後までの1年間の利回りで1年物スポ │
│ット・レートという(r(0,1)=4%)。f(1,2)は1年後から2年後 │
│までの1年間の利回りでフォワード・レートという(f(1,2)=6%)。 │
│f(2,3) は2年後から3年後までの1年間の利回りで、フォワード・ │
│レートという(f(2,3)=8%)。 │
└───────────────────────────────┘
つまり、①式と②式が等価(パリティ)であれば、金利スワップ取
引は成立する。
PV(f(n-1,n))=PV(R(SW))
R(SW) R(SW)
PV(f(n-1,n))=──────────+──────────
(1+r(0,1))の1乗 (1+r(0,2))の2乗
R(SW)
+──────────
(1+r(0,3))の3乗
=R(SW)・[1/(1+r(0,1))の1乗
+1/(1+r(0,2))の2乗
+1/(1+r(0,3))の3乗]
┌───────────────────────────────┐
│ PV(f(n-1,n)) │
│ ∴ R(SW)=─────────────────────── │
│ 1/(1+r(0,1))の1乗 │
│ +1/(1+r(0,2))の2乗 │
│ +1/(1+r(0,3))の3乗 │
└───────────────────────────────┘
以上
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回も乞うご期待!!!
テーマは、お楽しみに!!!
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