メールレターバックナンバー

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>>>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.75 <<<<<
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■■□──────────────────────2010/8/30号
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](4)
【2】 第2次レベル 構造型アプローチによるデフォルト債評価
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](4)
(33) 1株当たり当期純利益(EPS)
普通株式に係る当期純利益
EPS=──────────────
普通株式の期中平均株式数
PL上の当期純利益-普通株主に帰属しない金額
=─────────────────────────
普通株式の期中平均株式数
-普通株式の期中平均自己株式数
* 普通株式に係る当期純利益は、PL上の当期純利益から利益処
分に関連する項目で普通株主に帰属しない金額(例.優先配当額)
を控除して算定する。
(34) 潜在株式調整後EPS
普通株式に係る税引後当期純利益+当期純利益調整額
=──────────────────────────
普通株式の期中平均株数+普通株式増加数
① 潜在株式1株当たり利益(潜在株式調整後EPS)とは、潜在株
式(転換証券、ワラント)が権利行使され、株式が発行されたとし
た場合の1株当たり利益である。希薄化するとき財務諸表への注記
が要求されている。
② 希薄化効果を有するとは、潜在株式調整後EPSがEPSを下回
る場合をいう。
③ 潜在株式調整後EPSの注記を行わなくてよい場合は、次のケー
スである。
(a) 潜在株式が存在しない場合
(b) 潜在株式が存在しても希薄化効果を有しない場合
(c) 1株当たり当期純損失の場合
(1) ワラント型新株予約権
① 普通株式の期中平均株価がワラント型新株予約権の行使価格を上
回る場合には、希薄化効果を有する。
② ワラントが期中に消滅、消却、行使された部分は、期首または発
行時から消滅時、消却時、行使時までの期間に応じた普通株式数を
使用する。
(2) 転換証券
(a) 転換証券が期首に存在する場合には、期首に全て転換されたと
仮定した普通株式数と(b) 期中に発行された場合には、発行時か
ら期末までの期間に応じた株式数の合計である。
(35) サステイナブル成長率
サステイナブル成長率
=ROE×(1-配当性向)=ROE・(1-d)
【前提条件】
① 利益処分における社外流出は配当のみ、残額は内部留保される。
② 配当性向は一定である。
③ 自己資本純利益率(ROE)も一定である。
④ 自己資本の増加は内部留保のみであり、外部増資はない。
⑤ 負債比率(DEレシオ)は一定に保たれる。
(36) 販売形態別の収益認識基準
┌────────┬────────┬──────────┐
│ 販売形態 │ 原 則 │ 容認基準 │
├─┬──────┼────────┼──────────┤
│①│委託販売 │・販売基準 │・仕切精算書到達基準 │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│②│試用販売 │・買取意思表示 │ │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│③│予約販売 │・商品の引渡 │ │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│④│割賦販売 │・販売基準 │・割賦基準 │
│ │ │ │・回収基準 │
│ │ │ │・回収期限到来基準 │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│⑤│長期請負工事│・工事完成基準 │ │
│ │ │・工事進行基準 │ │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│⑥│主要農産物等│・収穫基準 │ │
├─┼──────┼────────┼──────────┤
│⑦│樹木や家畜 │・成長基準は否認 │ │
└─┴──────┴────────┴──────────┘
(37) 割賦販売の売上高と売上総利益
┌───────────┬────────┬────────┐
│ 収益基準 │ 売上高 │ 売上総利益 │
├───────────┼────────┼────────┤
│(a) 販売基準 │割賦販売高 │割賦販売利益 │
├───────────┼────────┼────────┤
│(b) 割賦基準 │ │ │
│ ① 未実現利益控除法 │割賦販売高 │回収高に対応した│
│ │ │割賦利益 │
├───────────┼────────┼────────┤
│ ② 対照勘定法 │回収高に対応した │回収高に対応した │
│ │割賦販売高 │割賦利益 │
└───────────┴────────┴────────┘
(注) 対照勘定法においては、未回収高に応じた原価相当分がBS
上に棚卸資産(商品)として計上される。
(38) 長期請負工事の工事進行基準
第n期の実際工事原価
① 第n期の工事収益=工事請負価額×────────────
見積総工事原価
(39) 税効果会計
(1) 税効果会計とは、会計上の収益・費用と税法上の益金・損金の認
識時点の相違がある場合、会計上の税引前当期純利益に対応した税
金費用を計上するように、支払税金を期間配分する会計処理である。
(2) 税効果会計が対象とする差異は、一時差異と繰越欠損金である。
(3) 税効果会計の処理方法
① 繰延法とは、一時差異項目についてその効果を差異発生年度の税
率で計算し、以後の年度に税率が変更されても差異項目残高に対し
て新しい税率を適用して再計算しない方法である。
② 資産・負債法とは、各期末の差異項目残高の全てにその時点の税
率を適用する方法である。
*わが国の「税効果会計基準」は、資産・負債法を採用している。
(4) 繰延税金資産・繰延税金負債の流動・固定の分類
繰延税金資産・繰延税金負債の流動・固定の区分は、税効果会計
の対象となった資産・負債の流動・固定の区分に従って、流動・固
定に分類され、区分表示される。
(40) 税効果会計の会計処理
① 課税所得計算の加算項目(益金算入項目、損金不算入項目)
(借)繰延税金資産 *** (貸)法人税等調整額 ***
② 課税所得計算の減算項目(益金不算入項目、損金算入項目)
(借)法人税等調整額 *** (貸)繰延税金負債 ***
(41) 実効税率
法人税率・(1+住民税率)+事業税率
実効税率=────────────────────
1+事業税率
(42) キャッシュフロー計算書の概要
(1) キャッシュフローとは、現金及び現金同等物である。
① 現金とは、手許現金と要求払預金をいう。
② 現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動につ
いて僅少なリスクしか負わない3カ月以内の短期投資をいう。
* 定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件
付き現先、公社債投資信託が含まれる。
(2) キャッシュフロー計算書は、営業活動CF、投資活動CF、財務
活動CFの3つの活動別にキャッシュフローが区分表示される。
(3) 営業活動CFの内容
① 営業損益計算の対象となった取引に係るCF
② 営業活動に係る資産・負債から生ずるCF
③ 投資活動及び財務活動以外の取引によるCF
* この営業活動CFだけ、直接法と間接法がある。投資活動CF
と財務活動CFは直接法のみである。
(4) 投資活動CFは、実物投資(固定資産)と金融投資(貸付金、有
価証券・子会社株式の取得など)の活動のCFをいう。
(5) 財務活動CFは、資金調達・返済(借入金、社債・株式の発行、
自己株式の取得など)の活動CFをいう。
(6) フリーCF=営業活動CF+投資活動CF
(43) 法人税等及び利息・配当金の取扱い
(1) 法人税等に係るCFは、営業活動CFの区分に記載される。
(2) 利息及び配当金に係るCFの区分表示
┌───────┬──────┬──────┐
│ │ (a)第一法 │ (b)第二法 │
├───────┼──────┼──────┤
│① 受取利息 │ │投資活動CF │
│② 受取配当金│営業活動CF │ │
│③ 支払利息 │ ├──────┤
├───────┼──────┤ │
│④ 支払配当金 │財務活動CF │財務活動CF │
└───────┴──────┴──────┘
(44) キャッシュフローの分析指標
① 債務償還年数=有利子負債/営業活動CF
② 営業キャッシュフロー比率=営業活動CF/流動負債
③ 営業キャッシュフロー負債比率=営業活動CF/負債
(45) 間接法による営業活動CFの作成
キャッシュフロー計算書(間接法)
─────────────────────────────
Ⅰ 営業活動によるキャッシュフロー
① 税金等調整前当期純利益 ***
② 非資金取引の修正
・減価償却費 ***
・貸倒引当金の増加額 ***
***
③ 資産及び負債の増減
・売上債権の増加額 (-) ***
・棚卸資産の減少額 ***
・仕入債務の減少額 (-) ***
④ その他の修正
・有価証券売却益 (-) ***
・固定資産売却損 (+) ***
***
────────
法人税等の支払額 (-) ***
────────
営業活動によるキャッシュフロー ***
────────
【2】 第2次レベル 構造型アプローチによるデフォルト債評価
(1) 構造型アプローチ
構造型アプローチとは、企業の信用リスクを示す何らかの指数値
が、ある値を超えることによって、デフォルトが発生するという考
え方である。
このアプローチの最もわかりやすい例は、企業の資産価値が負債
価値以下になり、債務超過になった時、デフォルトが生じるという
ものである。この評価モデルは、「資産価値は企業価値を原資産と
して、負債価値を権利行使価格とするロング・コール・オプション
と考えることができ、また、負債価値は企業価値を原資産として、
負債価値を権利行使価格とするショート・プット・オプションと考
える」ものである。
(2) 株式価値
株式価値Eは、企業価値Aを原資産とし、負債額Dを権利行使価
格とするヨーロピアン・タイプのコール・オプションのロング・ポ
ジションである。
よって、満期日Tにおける株式価値ETは、次式として表される。
┌──────────────────┐
│ E(T)=Max(A(T)-D(T)、0) │
└──────────────────┘
つまり、企業価値(資産価値)A(T) が負債額(負債価値)D以
下であると債務超過となり、デフォルトが発生することになる。
(3) ブラック=ショールズ・モデルによる株式価値
ブラック=ショールズ・モデル(BSモデル)が成立する諸条件
が満たされるとコール・オプションおよびプット・オプションは、
次式として表された。
┌────────────────────────────┐
│ C=S・N(d(1))-K・eの-rT乗・N(d(2)) │
│ P=(-)S・N(-d(1))+K・eの-rT乗・N(-d(2)) │
│ │
│ ┌ σ(2) │
│ │ ln(S/K)+(r+────)・T │
│ │ 2 │
│ ┤d(1)=──────────────── │
│ │ σ・(T)の2乗根 │
│ │ │
│ │d(2)=d(1)-σ・(T)の2乗根 │
│ └ │
│ なお、rはリスクフリー・レートである。 │
└────────────────────────────┘
コール・オプションの右辺第2項のN(d(2))は、満期日Tにお
ける原資産価値(資産価値A(T)) が権利行使価格である負債価値
D(T)を上回る確率で、イン・ザ・マネー(ITM)になる確率を
表している。言い換えれば、債務超過になる確率、つまり、デフォ
ルトになる確率は、1から債務超過にならない確率N(d(2))を差
し引いた値となる。
┌───────────────────┐
│ デフォルト確率pD=1-N(d(2)) │
│ =N(d(2)) │
└───────────────────┘
(4) デフォルト距離
オプション・アプローチによる係数d(2)は、企業がデフォルト
するまでの許容度を示す「デフォルト距離(DD:DefaultDistance)」
を表すものと理解されている。
このデフォルト距離DD(=pD)は、対数表示した満期の資産価
値の期待値E[ln(A(T))]と負債価値ln(D(T))の差を、負債のボ
ラティリティσ(A)・(T)の2乗根で除した基準化した値(相対表示)
として表すことができる。
┌────────────────────────────┐
│ E[ln(A(T))]-ln(D(T)) │
│ DD=pD=─────────────── │
│ σA ・(T)の2乗根 │
│ │
│ A(T) σ(2) │
│ ln(───)+(r-───)・T │
│ D(T) 2 │
│ =─────────────────=d(2) │
│ σ(A)・(T)の2乗根 │
└────────────────────────────┘
① 絶対値表示
上記式の分子は、対数表示の満期資産価値の期待値から対数表示
の負債額(デフォルト・ポイント)を差し引いたもので、対数表示
の絶対的なデフォルト距離を示している。
この値(この差=距離)が大きければ大きいほどデフォルトする
可能性が小さいことになる。
② 相対値表示
絶対的なデフォルト距離(分子)が資産価値の標準偏差σ(A)の
何倍になっているかを知るために、σ(A)・(T)の2乗根で除すこ
とによって相対的なデフォルト距離が計算される。
以上
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次回も乞うご期待!!!
テーマは、お楽しみに!!!
ご希望がございましたら、是非お寄せください!!!
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