メールレターバックナンバー

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>>>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.73 <<<<<
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■■□──────────────────────2010/6/28号
証券アナリスト試験に関連する有益な情報を毎月1回、タイムリーなテーマ
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ABCメールレターも7年目を迎えることができました。毎回4,000名を超える受
験生の方々にご利用いただいております。今後も引き続き、受講生の皆様に有
用な情報を発信してまいります。
今回も、有益な情報が掲載されております。
1次・2次レベルも最近の傾向として、「ファイナンスのためのミクロ経済学」
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今回のメールレターは第73号です。
バックナンバーは、http://abcr.co.jp/mail-letter/でご覧いただけます。
<<<<<今月のコンテンツ>>>>>──────────────────
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](2)
【2】 第2次レベル 配当政策と自社株買いの効果
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【1】 第1次レベル 試験に出る公式[財務分析](2)
(12) 売価還元法
(1) 売価還元法は、取得品種のきわめて多い小売業・卸売業などに適
用される。
① 原価法の原価率
期首商品原価+当期仕入原価総額
原価率=───────────────────────
期首商品売価+当期仕入原価総額+原始値上額
+値上額−値上取消額−値下額+値下取消額
② 低価法の原価率
原価法の原価率の分母から「値下額と値下取消額」を除いて計算
する。
期首商品原価+当期仕入原価総額
原価率=───────────────────────
(期首商品売価+当期仕入原価総額
+原始値上額+値上額−値上取消額)
(2) 期末商品原価=期末商品売価×原価率(また、低価法原価率)
(13) 棚卸資産の減耗と評価損
① 棚卸減耗費=(帳簿数量−実地棚卸数量)×@原価
② 商品評価損=(@原価−@時価)×実地棚卸数量
* 商品評価損の会計処理には、原価に戻さない切放法と原価に戻
す洗替法がある。
(14) 固定資産の取得原価
① 取得原価=(購入代価−値引・割戻し)+付随費用
② 自家建設の借入利息の原価算入
借入資金が当該建設工事にだけ利用され、稼働前の期間に対応す
る利息は取得原価に算入することができる。
(15) 減価償却の分類
① 正規の減価償却は、費用配分の原則に基づき所定の減価償却方法
(定額法、定率法、生産高比例法など)により計算された減価償却
をいう。営業費用(製造原価又は一般管理費)として処理される。
② 固定資産の種類と減価償却費の取扱い
┌────────┬───────────┬──────────┐
│固定資産の種類 │製品原価・期間原価の別│ PL計上 │
├────────┼───────────┼──────────┤
│・本社の建物 │・期間原価 │ 一般管理費 │
│・営業用車両など│ │ │
├────────┼───────────┼──────────┤
│・工場の建物 │・製品原価 │ │
│ │┌・販売済原価────┼→売上原価 │
│・機械設備など │┤ │ │
│ │└・未販売原価────┼→(BS、棚卸資産)│
└────────┴───────────┴──────────┘
(16) 減価償却費の計算方法
取得原価−残存価額
(1) 定額法:毎期の減価償却費=───────────
耐用年数
(2) 定率法:{取得原価−(D(1)+D(2)+……+D(n-1)}×一定率=D(n)
(3) 級数法
(N−n)+1
減価償却費=(取得原価−残存価額)×───────────
N・(N+1)/2
なお、Nは耐用年数、nは償却経過年数である。
(4) 生産高比例法
各期の実際生産高
減価償却費=(取得原価−残存価額)×──────────
予定総生産高
(17) 減価償却の税改正
① 償却可能限度額、残存価額が廃止され、残存価額1円まで償却
② 新償却方法の導入
(a) 新定額法の償却率=1/耐用年数
(b) 新定率法の償却率=(a)新定額法×2.5倍
③ 新定率法による償却限度額(=調整前償却額)
償却限度額=期首簿価×新定率法の償却率
④ 償却保証額=取得原価×保証率(残存年数ごとに異なる)
⑤ [③調整前償却額<④償却保証額]の場合
この時、期首簿価を改訂取得原価として、改定償却率を乗じたも
のが償却限度額となる。ただし、耐用年数の最終年は、1円を差し
引くことになる。
(18) 無形固定資産
┌ ┌特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権、
│法律上の諸権利┤ソフトウェア制作費、借地権、地上権、鉱業権、
┤(法的資産) └漁業権、各種の利用権など
│経済上の優位性────のれん
└(経済的資産)
① 「のれん」は有償取得、合併及び連結の場合に限って資産性が認
められる。20年以内に、定額法その他合理的な方法により償却。
② 研究開発費は、全て発生時に一般管理費として処理しなければな
らない。
③ ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分は研究開発
費として費用処理する。
④ 研究開発費に該当しないソフトウェア制作費は、無形固定資産の
区分に計上しなければならない。
(19) 繰延資産
(1) 資産計上の要件(3つ)
① すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定していること
② これに対応する役務の提供を受けていること
③ その効果が将来にわたって発現すること
(2) 償却方法と償却期間
┌─────────┬────┬─────────────────┐
│ 繰延資産 │償却方法│ 償却期間 │
├─────────┼────┼─────────────────┤
│株式交付費 │定額法 │3年以内のその効果の及ぶ期間に償却│
├─────────┼────┼─────────────────┤
│社債発行費 │利息法 │社債の償還までの期間に償却 │
├‥‥‥‥‥‥‥‥‥┼‥‥‥‥┼‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┤
│(新株予約権発行費)│定額法 │3年以内のその効果の及ぶ期間に償却│
├─────────┼────┼─────────────────┤
│創立費 │定額法 │5年以内のその効果の及ぶ期間に償却│
├─────────┼────┼─────────────────┤
│開業費 │定額法 │5年以内のその効果の及ぶ期間に償却│
├─────────┼────┼─────────────────┤
│開発費 │定額法等│5年以内のその効果の及ぶ期間に償却│
└─────────┴────┴─────────────────┘
(20) 減損処理
(1) 減損損失の計算手順
① 対象資産を確定する。
② 減損の兆候があるかないかを調査する。
③ 減損損失を認識するかどうかの判定
認識:帳簿価額 > 将来CFの総額
④ 回収可能額の計算
⑤ 減損損失=帳簿価額−回収可能額
⑥ 減損損失を各資産に配分
(2) 減損の兆候
① 資産の営業活動から生ずる損益又はキャッシュフローが、継続し
てマイナスか、マイナスとなる見込み。
② 資産の回収可能価額を著しく低下させる変化が生じたか、生ずる
見込み。
③ 事業に関連して、経営環境が著しく悪化したか、悪化する見込み。
④ 資産の市場価格が著しく下落。
(3) 減損損失の認識
減損損失の認識基準:帳簿価額 > 割引前将来CFの総額
CFの見積期間=Min(経済的耐用年数、20年)
(4) 回収可能価額=Max(①正味売却価額、②使用価値)
① 正味売却価額=売却時価−処分費用見込額(アフターコスト)
② 使用価値=将来CFの割引現在価値の合計=PV(将来CF)
CF(n)
=Σ──────────
(1+R)のn乗
(5) 減損損失の計算:減損損失=帳簿価額−回収可能価額
【2】 第2次レベル 配当政策と自社株買いの効果
┌────────────────────────────────┐
│【結論】 │
│ 完全資本市場と効率的市場(完全な効率的市場)を前提にすると企業│
│の配当政策の変更や自社株買いによって企業価値や株価は影響を受けな│
│い。 │
│ しかし、現実の市場(不完全性かつ非効率性の市場)では、税金・取│
│引コストなどの影響を避けることができないので、配当政策の変更や自│
│社株買いは、企業価値や株価に影響を与えることもありうる。 │
└────────────────────────────────┘
(1) 配当政策変更が株価に影響を与える現実
現実の市場は、不完全で非効率的な市場である。このような場合
には、配当政策の変更は株価に影響を与えることもある。
① 取引コストの存在
完全市場の下では、増資に伴うコストがかからないことを前提にし
てきたが、しかし、現実には発行コストが発生するので、そのコスト
分だけ企業価値が減少し、株価に影響を及ぼす。
② 税金の存在
配当課税とキャピタル・ゲイン課税が異なれば、税率の低い方を投
資家は選好する。税率が低い配当政策が採用されれば企業価値は高ま
り、株価も上昇することになる。しかし、投資家の種類によって税制
が異なるので、配当と内部留保のどちらが良いかは難しい問題である。
一般的には、個人投資家(若い人)はキャピタル・ゲインを好み、
機関投資家はインカム・ゲインを好む傾向にある。
③ 顧客効果
一般に、年配の個人投資家は短期で安全性の高い配当(インカム)を
好む、若年齢層の投資家は長期で比較的リスクのあるキャピタル・ゲ
インを好む傾向がある。どちらを好むかは個々の投資家によって異な
る。投資家は自己の特性に合った配当政策を行う企業の株式を選択す
ると考えられる。つまり、企業はいかなる収益を好む投資家を誘因し
たいかで配当政策が決まる。これが配当政策の顧客効果という。この
ように考えるとむやみに配当政策は変更すべきではないという考え方
が導かれる。
④ シグナリング効果
経営者と投資家の間には情報の非対称性がある。その場合、投資家
は、企業価値について理論価値よりも低く評価するのが一般的である。
そこで、経営者は投資家に正しく評価してもらうために、何らかの
情報を発信(シグナリング)することが必要となってくる。
そのシグナリングの一つが増配である。増配の情報が発信(シグナ
リング)されると、投資家はその情報により将来の企業利益の増加と
して受取るので、株価が上昇する可能性がある。
⑤ エージェンシー・コスト
配当支払いはエージェンシー・コストに影響を与える可能性がある。
(a) 株主と経営者の間のエージェンシー・コスト
株主以外の利益のためにフリー・キャッシュフローを用いるとエ
ージェンシー・コストが発生するという考え方をフリー・キャッシ
ュフロー仮説という。この考え方によると、高い配当を実施すると
株主にとってのエージェンシー・コストを低下させることができる
ので、株価にプラスに作用する。
(b) 債権者と株主の間のエージェンシー・コスト
フリー・キャッシュフローを内部留保すれば、投資家(債権者と
株主)は請求権をもつが、配当されると株主のものになってしまう。
高い配当が実施されると債権者にとってのエージェンシー・コスト
は高まる。よって、社債発行に際して、財務上の特約である配当制
限条項が入れられることがある。
⑥ ペッキング・オーダー
株主と経営者の間には情報の非対称性が存在する。株主の監査コス
トが高まり、余裕資金は配当しなさいという圧力が働くことになるの
で、そのような監視を避けるため資金調達は特定の第三者からの借入
が選択されるようになることをペッキング・オーダーという。
このペッキング・オーダー理論によれば、余裕資金を配当せずに内
部留保し、財務上の余裕を持ち、事業投資するのが良いと考えられる
ので、配当が抑制され、フリー・キャッシュフロー仮説と反対の結論
になる。
⑦ 株式配当と株式分割
株式配当と株式分割においては、株主の保有する株式の価値は保有
株数の増加と株価の低下が相殺されて以前の株式価値と変わらない。
しかし、日本では小幅の株式分割が行われる場合、1株当たりの配
当を変えないことが多い。このような場合は、株式分割は実質的な増
配になる。このため、実質増配という形で株式分割が行われると株価
にプラスに働くこともありうる。これは配当のシグナリング効果に基
づくものである。
(2) 自社株買いが株価に影響を与える現実
ここでも、現実の資本市場が完全市場の要件を満たさないので、
自社株買いが株価に影響を与えることもある。
① 税金の存在
配当を実施すれば権利落ちにより株価は下落する。一方、自社株買
いによる場合は株価は不変である。よって、配当課税とキャピタル・
ゲイン課税が異なる場合には、自社株買いは株価に影響を及ぼす。
② シグナリング効果
経営者と投資家の間には情報の非対称性がある。この場合、自社株
買いが実施されると投資家は株価を割安であるという情報が発信され
たものと受取る。つまり、株価に影響を与えることになる。
③ エージェンシー・コスト
自社株買いは、配当支払いと同様に現金流出を伴うので、高配当と
同様の効果を生む。フリー・キャッシュフロー仮説に従うと、自社株
買いはエージェンシー・コストの低下に結びつくので、株価にプラス
に働く。逆に、債権者との関係におけるエージェンシー・コストは高
まる。
④ 株式の需給要因
自社株買いが実施されると株式の流通量が減少し、株価上昇要因と
して働く可能性があるので、株価に影響を与えることになる。
⑤ 自社株買いと財務比率の関係
自社株買いを実施するとROEやEPSを高めるので株価にプラス
に働くかどうかを考察する。
(a) ROEを高めるかどうか
自社株買いは現金を取り崩して実施するので、受取利息が減少す
るので当期純利益が減少する。よって、一概にROEが上昇すると
は言えない。
また、負債を調達して自社株買いを実施すると、負債利子の発生
によって当期純利益が減少する。
(b) EPSを高めるかどうか
上記(a)で記述したように、受取利息の減少や負債利子が増加し、
当期純利益が減少するので、一概に、EPSが上昇するとは言えな
い。
以上
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次回も乞うご期待!!!
テーマは、お楽しみに!!!
ご希望がございましたら、是非お寄せください!!!
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