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メールレター

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  >>>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.71 <<<<<

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■■□──────────────2010/4月号(4/30)

  証券アナリスト試験に関連する有益な情報を毎月1回、タイムリーなテーマ
  は号外として配信しております。
  ※最適にご覧頂くには、等幅フォントをご利用ください。

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  1次試験の受験生の皆様お疲れ様でした。また、2次試験の受験生の皆様は
 残り1カ月となりました。これからの頑張りが合否を決定します。気を引き締
 めて頑張って下さい。とにかく、本質を理解することです。
  1次レベルは、今回、財務分析で出題された付加価値分析について取り上げ
 ました。また、2次レベルは、誘導型アプローチによるデフォルト債の評価を
 取り上げました。
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  今回のメールレターは第71号です。
 
 バックナンバーは、http://abcr.co.jp/mail-letter/でご覧いただけます。
   
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   【1】 第1次レベル 付加価値分析
   【2】 第2次レベル 誘導型アプローチによるデフォルト債の評価
                          
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   【1】 第1次レベル 付加価値分析
    
    1.付加価値の計算方法
      付加価値とは、企業が購入した材料などの中間財(中間生産物)に
     対して、新たに生み出した価値額をいう。付加価値は、次の2つの方
     法によって計算することができる。
     (1) 控除法
        付加価値+前給付費用(中間生産物)=総生産高
      と定義される。よって、
     ┌────────────────────────┐
     │ 付加価値=総生産高−前給付費用(中間生産物) │
     └────────────────────────┘
     (2) 加算法
     ┌──────────────────────────────┐
     │付加価値=人件費+賃借料+税金費用+他人資本利子+税引後利益│
     └──────────────────────────────┘
       加算法は、上記のように、付加価値を構成する項目を加算して求
      める。その構成項目の各内容は、次のとおりである。
     ① 人件費……従業員などの労働の対価として分配されるもの。
            (例.役員報酬、従業員給料賃金、退職給付引当金繰
               入、賞与引当金繰入、福利費)
      * 連結損益計算書上の売上原価に含まれる製造費用としての人件
       費は、親会社単独の製造原価明細書(C/R)における労務費の
       構成比率を用いて計算する。
        連結売上原価に          C/R上の労務費
               =連結売上原価×────────────
        含まれる人件費         C/R上の総製造費用
      * 減価償却費………有形・無形固定資産の減価償却費である。
       「粗」の概念の付加価値の計算要素である。
     ② 賃借料……………建物・土地などの実物資本提供者に対して支払
              (分配)われる対価。(例.地代家賃、リース料)
     ③ 税金費用…………法人税・住民税・事業税の合計(税効果会計後)。
     ④ 他人資本利子……借入金や社債などの他人資本提供者に対して支
              払(分配)われる利息。(例.支払利息割引料、社
              債利息、売上割引)
     ⑤ 税引後利益………当期純利益
     
      以上の内容を図解すると次のようになる。
      
            損益計算書
   ┬──────────┬──────────┬ ┐(B)
   │   前給付費用   │          │ │───=付加価値率
   │  (中間生産物)  │          │ │(A)
 ┌ ├─┬────────┤          │ │
 │ │ │① 人件費   │          │ │
 │ │付├────────┤          │ │
 │ │ │② 賃借料   │   総生産高   │ │
 │ │加├────────┤ (または、売上高) │(A)
(B)│ │③ 税金費用  │          │ │
 │ │価├────────┤          │ │
 │ │ │④ 他人資本利子│          │ │
 │ │値├────────┤          │ │
 │ │ │⑤ 税引後利益 │          │ │
 └ └─┴────────┴──────────┘ ┘
   
     ①         ⑤
    ───=労働分配率、───=利潤分配率
    (B)       (B)
   
    2.労働生産性の分析
     (1) 労働生産性
       労働生産性(付加価値生産性)とは、従業員1人当たりの付加価
      値額であり、人的資源の観点からみた生産性の測度として用いられ
      る。
     ┌────────────────────────┐
     │            付加価値額        │
     │ 労働生産性=──────────────   │
     │        期首・期末の平均従業員数    │
     └────────────────────────┘
     (2) 労働生産性の分解
     ① 売上高との関連で分解
     ┌─────────────────────────────┐
     │            付加価値額             │
     │  労働生産性  =────────           │
     │           平均従業員数            │
     │(付加価値生産性)                    │
     │           付加価値額    売 上 高     │
     │         =───────×────────   │
     │           売 上 高   平均従業員数    │
     │                             │
     │         =(付加価値率)×(1人当たり売上高) │
     └─────────────────────────────┘
       上式より、労働生産性を高めるためには、「付加価値率」や「1人
      当たり売上高」を高めなければならないことが分かる。そのために、
      販売戦略として販売単価や販売量を引き上げるとか、製造業であれ
      ば、原価を引き下げるなどの努力が必要である。
     ② 有形固定資産との関連で分解
       また、付加価値生産性は人手作業を機械作業に換えたりすること
      (いわゆるOA化、IT化)によっても高めることができるので、
      これを有形固定資産との関連で分解すると次のようになる。
     ┌─────────────────────────┐
     │         付加価値額            │
     │ 労働生産性=────────          │
     │        平均従業員数           │
     │                         │
     │         付加価値額    有形固定資産  │
     │      =────────×──────── │
     │        有形固定資産  平均従業員数  │
     │                         │
     │      =(設備生産性)×(労働装備率)   │
     └─────────────────────────┘
       ここでも、労働生産性を高めるためには、「設備生産性」や「労働
      装備率」を高めなければならないことが分かる。
       この「労働装備率」は、従業員1人当たりの設備投資額(または、
      設備保有水準)を示しており、資本集約的な業種ほど、この値が大
      きくなる。逆に、労働集約的な業種ほど、この値が小さくなる。ま
      た、設備生産性は、有形固定資産1単位当たりの付加価値額を示し
      ており、設備の利用度を表す。この値を大きくすることは設備の利
      用度を高めることに他ならない。
   
   
   【2】 第2次レベル 誘導型アプローチによるデフォルト債の評価
   
     この誘導型アプローチによるモデルは、デフォルト債が生み出す将来
    キャッシュフローを離散型の2項分布モデルを仮定するものである。
     このモデルでは、デフォルト確率を(1)リスク中立デフォルト確率を
    用いて評価する方法と(2)実績デフォルト確率を用いて評価する方法が
    ある。
   
     (1) リスク中立デフォルト確率を用いた評価
       ここでの「リスク中立デフォルト確率」とは、投資家がリスクを
      考慮せず期待値のみに関心を持つという意味での中立的(リスクフ
      リー・レートが確保できる確率=リスク中立確率という)であるこ
      とを意味するのでは無く、投資家のリスク回避(あるいは愛好)傾
      向を織り込んで計算されたデフォルト確率を意味する。
       リスク回避的な投資家は、リスク中立的なデフォルト確率を実際
      のデフォルト確率より、回避傾向を織り込んで高く推定していると
      思われる。
     ① 今、残存期間1年のデフォルトのある割引社債があり、そのリス
      ク中立デフォルト確率をp、デフォルト時の回収率をRR、または、
      デフォルト時の損失率をLGD(=1−RR)と見積もられていた
      とする。
       この場合のデフォルト債の価格PV(0)は、次のように計算される。
     
             1年後の期待回収額      E(C(1))
       PV=────────────────=────────
           (1+リスクフリー・レート)   (1+R(F))
           p・RR・C(1)+(1−p)・C(1)
         =───────────────────
                (1+R(F))
          または、
     ┌─────────────────────────────┐
     │     p・(1−LGD(1))・C(1)+(1−p)・C(1) │
     │ PV=─────────────────────────│
     │             (1+R(F))          │
     └─────────────────────────────┘
   
     ② また、分子の期待回収額を展開すると次式を求めることができる。
       E(C(1))=p・(1−LGD(1))・C(1)+(1−p)・C(1)
            =p・C(1)−p・LGD(1)・C(1)+C(1)−p・C(1)
            =C(1)−p・LGD(1)・C(1)
            =(1−p・LGD(1))・C(1)
   
       この時の(1−p・LGD(1))を確実性等価係数といい、αと
      表記する。
     ┌─────────────┐
     │ α=1−p・LGD(1)  │
     └─────────────┘
   
     ③ 以上により、デフォルト債の現在価値PVとデフォルトのない現
      在価値ZV(=C(1)/(1+R(F)))が市場で取引されており、
      その市場価格が開示されていれば、確実性等価係数α(1)は次式のよ
      うに推定することができる。
               C(1)
       PV=α・────────
             (1+R(F))
     ┌───────────────────────┐
     │           C(1)          │
     │ ∴ α=PV/[──────]=PV/ZV │
     │         (1+R(F))        │
     └───────────────────────┘
   
     (2) 実績デフォルト確率を用いた評価
       デフォルト債の評価を今度は、実際のデフォルト確率によりデフ
      ォルト債の評価を考える。
       そこで、先ず、実績デフォルト確率の計算式を明らかにする。
     ┌─────────────────────────────┐
     │              その期末における倒産件数(D)│
     │実績デフォルト確率(pD)=───────────────│
     │               期首における貸付先数(N(0))│
     └─────────────────────────────┘
   
       この実績デフォルト確率pDを用いてデフォルト債を評価する場
      合、実績デフォルト確率pDには投資家のリスク選好が織り込まれ
      ていないため、信用リスク選好を評価式の分母(つまり、割引率)
      に反映しなければならない。つまり、割引率として信用リスク・プ
      レミアムR(P)を上乗せしたリスク調整済の割引率(RADR:Risk
      Adjusted Discount Rate)を用いなければならない。
       よって、実績デフォルト確率を用いたデフォルト債の評価式は、
      次式として表わされることになる。
           pD・(1−LGD)・C(1)+(1−pD)・C(1)
       PV=─────────────────────────
                (1+R(F))・(1+R(P))
     ┌─────────────────────┐
     │     (1−pD・LGD)・C(1)   │
     │ PV=──────────────── │
     │     (1+R(F))・(1+R(P))  │
     └─────────────────────┘
   
       実績デフォルト確率に基づいた確実性等価係数αは、次のとおり
      である。
   
       PV=確実性等価係数・デフォルトなし現在価値
           (1−pD・LGD)     C(1)
         =────────────・────────
             (1+R(P))     (1+R(F))
     ┌────────────────┐
     │    (1−pD・LGD)  │
     │ α=──────────── │
     │      (1+R(P))    │
     └────────────────┘
   
                                  以上

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  次回も乞うご期待!!!
 
    テーマは、お楽しみに!!!
    
      ご希望がございましたら、是非お寄せください!!!

           
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