メールレターバックナンバー

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>>>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.70 <<<<<
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■■□──────────────2010/3月号(3/30)
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【1】 第1次レベル 為替介入政策とその有効性
【2】 第2次レベル 株式のアクティブ戦略
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【1】 第1次レベル 為替介入政策とその有効性
┌───────────────────────────────┐
│ 日本での外国為替市場への介入は、「公的介入」と言われ、その実│
│施は財務省が決定し、日銀が政府の代理人として実際の外貨売買を行│
│っている。 │
└───────────────────────────────┘
(1) 不胎化政策
不胎化政策とは、通貨当局が自国通貨の減価を抑えるために、自
国通貨を買う(外貨は減少するため日銀の貸借対照表(B/S) は圧縮
される)と同時に短期金融市場のマネーサプライが減少しないよう
に金融調節で買いオペレーションをする(日銀のB/Sは拡大する)。
このようにして為替介入をしてもマネーサプライが変化しないよう
にする政策を不胎化政策という。
(注)外貨を買い入れるための円資金は、外国為替資金特別会計が短期証
券を発行して調達している。
(2) 非不胎化介入
政府・日銀が不胎化されないドル買い介入を行うと、外貨準備の
増加と日銀当座預金の増加、つまり、ベースマネーの増加になる。
ベースマネーの増加により、信用乗数効果を通じてマネーサプラ
イの増加と名目金利の低下を招く(LM曲線の右下方シフト)。
よって、介入自体による円ドル・レートの上昇(通貨価値の減
価)、更に、金利低下による内需増加が経常収支を悪化させること
が加わり、円ドル・レートを上昇させることになる。
(3) 不胎化介入の有効性
不胎化介入は実質的には、政府・日銀による自国通貨建債券(円)
と外貨建債券(ドル)の交換である。この不胎化介入が為替レート
を変化させるルートは2つ考えられる。
┌① 民間保有の外貨建債券と自国通貨建債券の交換によるリスク・プ
┤ レミアムを変化させるルート
└② 市場参加者の期待に影響を及ぼすルート
このように考えると、不胎化介入の有効性は外国為替市場の状態
に依存することと等しい。
┌ (1) 内外通貨建資産の代替性の程度
為替市場の状態の側面┤
└(2) 市場の効率性の程度
① 内外通貨建資産の代替性(市場の深さ)
(a) 代替性が完全な場合
内外通貨建資産の残高が変化しても為替レートが変動しなく市場
で吸収できる場合には、内外通貨建資産間の代替性は完全となり、
先物カバーなしの金利平価説が成立する。代替性が完全であると民
間の市場参加者により為替レートを変動させることなく、残高変化
を吸収してしまう。
(b) 代替性が不完全な場合
一方、投資家がリスク回避的であれば、外貨建資産保有がリスク
・プレミアム相当分だけ高い収益率が得られないと内外通貨建資産
間の代替性は不完全となる。
② 市場の効率性
外国為替市場が内外の金利、インフレ率、物価水準、国際収支等の
情報を十分に反映して直先為替レートが決まるのであれば、市場は効
率的である。
市場が効率的であると不胎化介入しても投資家の期待を変化させる
ことができないので、為替レートを変動させることができない。
(4) 不胎化介入の有効性
①(A)のケース
内外通貨建資産が完全に代替的な場合、外貨建資産と自国通貨建の
残高を変化させても、内外の情報を十分消化しているので、民間の市
場参加者により為替レートを変動させることなく不胎化介入を吸収し
てしまう。
よって、内外通貨建資産間の代替性が完全で、かつ、市場が効率的
であれば、不胎化介入は無効になる。
②(B)、(C)、(D)のケース
内外通貨建資産間の完全代替性ないし、市場の効率性の少なくても
一方が成立しない場合には、不胎化介入は有効なものとなる。
以上をまとめると下表のようになる。
[不胎化介入の有効性と外国為替市場の状態]
┌───────────┬─────────────────┐
│ │ 内外通貨建資産間の代替性 │
│ ├────────┬────────┤
│ │ 完 全 │ 不 完 全 │
├──────┬────┼────────┼────────┤
│ │ 効率的 │介入は無効(A)│介入は有効(B)│
│市場の効率性├────┼────────┼────────┤
│ │非効率的│介入は有効(C)│介入は有効(D)│
└──────┴────┴────────┴────────┘
【2】 第2次レベル 株式のアクティブ戦略
株式のアクティブ戦略には、「パッシブ運用ではないもの」とい
う以上に明確な定義はない。
そこで、様々なアクティブ戦略が存在する。以下の?から?のアク
ティブ戦略について、簡潔に説明する。
(1) マクロファクター戦略
投資情報作成のアプローチがトップダウンである場合、マクロ経
済予測を反映させたポートフォリオを構築する。マクロファクター
・モデルを利用し、そのモデルから得られる情報をベースに戦略を
立てる。どちらかといえば中期(長期)的な戦略であるといえる。
【留意点】
その1つの実行方法はサブ・インデックスの動的アロケーション
戦略である。ファクターにマクロ変数の予想値を入れてリターンの
予想値をつくり、それを用いて業種インデックスの動向やセクター
別の動向などを把握し、投資判断の参考情報とする。あるいはサブ
・インデックスの配分決定のための情報を作るといったものである。
(2) マーケット・タイミング戦略
マーケット・タイミング戦略とは、ベンチマークの将来のリター
ンの予想に基づいてアクティブ・ベータをダイナミックに調整して
アクティブ・リターンを獲得しようというものである。
ポートフォリオのベータ値は、各個別銘柄のベータ値の組入れウ
ェート加重和となっているので、個別銘柄のウェートを調整するこ
とによってポートフォリオのベータ値を調整することが可能である。
【留意点】
マーケット・タイミング戦略は、文字通り、ベータ調整のタイミ
ングが重要である。いざ、βP を大きくしたい(小さくしたい)と
考えても、それがリバランスによりポートフォリオに反映されるま
で時間がかかりすぎては、いざ調整が終わったという時には、既に
タイミングに対する判断が逆転していることさえ考えられる。そこ
で、株価指数の先物取引やオプション取引などの流動性が高く、取
引コストが低いデリバティブを利用する方法が取られることが多い。
(3) セクター・ローテーション戦略
各セクターへのウェートを、ベンチマークにおけるウェートから
意図的に乖離させるもの、中でもセクター・レベルでの期待リター
ンに関する情報をもとに動的にセクター配分を変更するものをセク
ター・ローテーション戦略という。
【留意点】
伝統的なトップダウン・アプローチの過程でも行われてきたこと
であるが、マクロ経済動向の予測シナリオに基づいて、産業や何ら
かの経済的意味を持つセクター・レベルのグループについて、オー
バー・ウェートまたはアンダー・ウェートの方針をたてる。
あるいは、マクロファクター戦略と同様に、マクロファクター動
向に関する予測を、マクロファクター・モデルを用いてセクターの
期待リターンとリスクの情報に落とし込み、望ましいリスク・リタ
ーン特性を持たせたセクター・インデックスのポートフォリオを作
り出すというアプローチもある。
(4) ファクター・ローテーション戦略
ファンダメンタル・ファクターを用いたものが多い。PER、P
BRに代表される様々な投資尺度は、それによる投資判断が有効な
時と有効でない時がある。その時々で有効性の高い投資尺度へのウ
ェートを高めることによって、アクティブ・リターンの獲得の安定
性と効率性を高めようという戦略である。
【留意点】
アプローチには大きく分けて2つある。
第1は、投資尺度ファクター・ポートフォリオのポートフォリオ
を最適化するというものである。個々のファクター・ポートフォリ
オのリターンを予測し、最適ポートフォリオのウェートを決定する。
第2のアプローチは、複数の投資尺度を集約して、安定的に有効
な新しい投資尺度を作り出すというものである。その複合投資尺度
における各投資尺度の反映の度合いがポートフォリオにおける各フ
ァクターへの配分となって反映される。
(5) スタイル・ローテーション戦略
「投資スタイル」を、何らかの基準によって変更するものである。
セクター・ローテーションと同時にマクロ経済動向の予測シナリオ
などに基づいて、スタイル・インデックスへの配分ウェートを、そ
の時々に合わせて調整する戦略をいう。
【留意点】
本来、運用とはどのような相場においても安定してベンチマーク
をアウトパフォームすることを目指すべきであるので、バリュー相
場の時にはバリュー型の運用、グロース相場の時にはグロース型の
運用となることは決して悪いことではない。しかし、よほど明確か
つ有効なローテーションのルールを持たない限り、「投資哲学があ
やふやである」との評価を受けやすい。ことスタイル・ローテーシ
ョンに関しては、「銘柄選択、ポートフォリオ構築方針は一貫して
いた」ということが大前提となって「安定したパフォーマンスを達
成するような運用をしていたら、結果的にスタイル・ローテーショ
ンが起こっていた」と言い切れるくらいでなければ、ローテーショ
ンが起こさないように管理することを要求されることになる。
以上
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次回も乞うご期待!!!
テーマは、お楽しみに!!!
ご希望がございましたら、是非お寄せください!!!
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