メールレターバックナンバー

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>>>>> ABC 証券アナリスト メールレター Vol.67 <<<<<
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■■□──────────────────────2009/12/25号
証券アナリスト試験に関連する有益な情報を毎月1回、タイムリーなテーマ
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今回のメールレターは第67号です。
バックナンバーは、http://abcr.co.jp/mail-letter/でご覧いただけます。
<<<<<今月のコンテンツ>>>>>──────────────────
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【1】 第1次レベル 状態価格とリスク中立確率
【2】 第2次レベル 加重平均資本コストと個別事業のベータ値
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【1】 第1次レベル 状態価格とリスク中立確率
1.状態価格
「時点1の状態1で1円をもたらすが、その他の状態では何ももた
らさないという利得(キャッシュフロー)の時点0における現在価値」
を状態価格という。
2.資産の現在価値
将来時点の1円に対する現在価値が状態価格であるから、状態価格
が与えられていれば、各資産の将来時点の利得(価格)の現在価値PV
は、各状態における状態価格q(0i)に、その利得(価格)C(1i)を乗
じた値の総和として求めることができ、次式として表される。
資産の現在価値=Σ(各状態価格×各状態の将来の資産価格)
PV=Σq(0i)・C(1i) (iは状態i,0は時点0,1は時点1である)
3.状態価格とリスク中立確率
(1) 状態価格の和
ここで、無リスク資産の状態価格を考える。
PV=Σ(各状態価格×各状態の将来の資産価格)
無リスク資産の現在価値PV(0) は、満期償還額がFVであると
すると無リスク利子率をR(F) としたときの割引係数(DF:ディ
スカウント・ファクター)となる。この割引係数(DF)は無リス
ク資産の現在価値PV(0)となり、次式が成立する。
Σ(各状態の状態価格)=割引係数・1
1
=────────・1
(1+R(F))
(2) リスク中立確率
各状態価格に「1+無リスク利子率」を乗じた値を全て合計する
と「1」になる。確率の総和は「1」であるから、各状態価格に
「1+無リスク利子率」を乗じた値は時点1の各状態における資産
価格となる。その価格はリスク・フリーの利得をもたらしているの
で、各状態価格に「1+無リスク利子率」を乗じた値は、その状態
のリスク中立確率となる。
よって、各状態のリスク中立確率は、次式として表される。
状態iの状態価格×(1+R(F))=状態iのリスク中立確率
【2】 第2次レベル 加重平均資本コストと個別事業のベータ値
1.資本コスト
資本コストとは、投資家が要求する収益率(要求収益率)である。
企業は事業から資本コストを上回る収益率を上げることができれば、
価値を創造することができ、企業価値や株価が高まる。
企業の事業リスクを負担するのは、企業への資金提供者である株主
と債権者である。債権者は契約で定められた金利を受取るので事業リ
スクをほとんど負担しない。一方、株主が受取るキャッシュフローは、
債権者の受取る金利や税金を支払った後の利払後税引後利益(当期純
利益)であり、これは事業環境や経営戦略の巧拙によって変動するこ
とになる。このように、株主は債権者よりも多くの事業リスクを負担
することになる。よって、株主は債権者が受取る金利を上回る収益率
を要求することになる。
企業の資本コスト(要求収益率)は、企業への資金提供者である債権
者の要求収益率(負債コスト)と株主の要求収益率(自己資本コスト)
を加重平均して計算される。よって、企業の資本コストは加重平均資
本コスト(WACC)と呼ばれる。
2.負債コスト
負債コストとは、債権者が要求する収益率であり、負債の金利であ
る。さらに、今までの借入金利ではなく、現在借入れを行う場合の金
利を用いる。
負債コストは企業が社債を発行した場合、その社債の市場価格Pが
判明しているときの最終利回り(内部収益率)であり、次式のRである。
┌─────────────────┐
│ P=ΣC(t)/(1+R)のt乗 │
└─────────────────┘
なお、この負債コストはデフォルト・リスクに対応する分だけリス
クフリー・レートより高くなる。企業のデフォルト・リスクは事業リ
スクや財務体質(財務リスク)によって決まる。
3.自己資本コスト
自己資本コスト(株主資本コスト)の推計方法としては、資本資産
評価モデル(CAPM)や配当割引モデル(DDM)が用いられる。
(1) 資本資産評価モデルによる方法
資本資産評価モデル(CAPM)による均衡期待投資収益率
E(R(i))は、次式として表され、市場リスク(β値)が大きい資
産ほど大きくなる。
┌───────────────────────────┐
│ E(R(i))=R(F)+β(i)・{E(R(M))−R(F)} │
└───────────────────────────┘
* R(F)は、長期国債の利回りが多く用いられる。
(2) 配当割引モデルによる方法
株式評価モデルの1つである配当割引モデル(DDM)を用いて計
算する方法は、定率成長型のDDMを用いて計算される。次式のR
が株主の要求収益率である。
┌────────────┐
│ P=D(1)/(R−g) │
└────────────┘
従って、Rは字式となる。
R=D(1)/P+g
株式評価モデルには、配当割引モデル以外にフリー・キャッシュ
フロー割引モデルや残余利益(割引)モデルなどがある。これらの
評価モデルを用いて自己資本コストを推計することもできる。
4.加重平均資本コスト
企業の資本コストである加重平均資本コストk(WACC)は、次式
として表される。
┌────────────────────────┐
│ D E │
│ k=─────・i・(1−t)+─────・R │
│ D+E D+E │
└────────────────────────┘
【WACC計算上の留意点】
(1) 負債利子の節税効果を反映させるため割引率を引下げることに
よって調整するので、負債コストは税引後負債利子とする。
(2) 加重ウェートは、簿価ベースではなく時価ベースを用いる。
(3) 加重平均する対象の負債は有利子負債(長短借入金、社債)の
みとする。買入債務や前受金などの無利子負債は含めない。
5.個別事業の資本コスト
企業全体の資本コストを各事業の投資プロジェクトの資本コストと
しては利用できない。つまり、各投資プロジェクトの資本コストは、
その事業の市場リスク(ベータ値)に応じて異なる。
そこで、事業部や子会社の自己資本コストを推定する場合には、そ
の事業や子会社と類似した事業を行っている企業のベータ値を資本構
成で修正したベータ値を用いれば推計することができる。
この時、負債がない企業のベータ値β(U)(アンレバード・ベータ)
と負債がある企業のベータ値β(L)(レバード・ベータ)との関係式を
用いて、投資プロジェクトiの資本コストk(i)を計算することができ
る。
┌───────────────────┐
│ β(L) │
│ β(U)=───────────── │
│ {1+(1−t)・D/E} │
└───────────────────┘
【投資プロジェクトの資本コストの算出順序】
① 負債のある企業のベータ値β(L)を用いて負債のない企業として
のβ(U)を計算する。
β(L)
β(U) =─────────────
{1+(1−t)・D/E}
② 次に、①負債のない企業としてのβ(U)を用いて、投資プロジェ
クトの資本構成(d/e)を調整して投資プロジェクトのベータ値
βiを求める。
投資プロジェクトのベータ値β(i)=β(U)・{1+(1−t)・d/e}
③ 最後に、②β(i)を用いて投資プロジェクトの自己資本コスト
k(i)を計算する。
k(i)=R(F)+β(i)・[E(R(M))−R(F)]
以上
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次回も乞うご期待!!!
テーマは、お楽しみに!!!
ご希望がございましたら、是非お寄せください!!!
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